１５７秒殺！長谷川穂積、圧勝Ｖ８

　ＷＢＣ世界バンタム級タイトルマッチ（１２日、神戸ワールド記念ホール）お見事、秒殺防衛！　王者・長谷川穂積（２８）が同級１位ブシ・マリンガ（２９）を１回２分３７秒、ＴＫＯで退けて８度目の防衛に成功した。１５７秒での世界王座防衛は、国内ジム所属選手では、元ＷＢＡ世界Ｓウエルター級王者・輪島功一（三迫）が１９７２年に記録した１０９秒に次ぎ、２番目のスピード記録となった。

　電光石火の秒殺に、６０００人の観衆が、総立ちになった。わずか１５７秒で挑戦者をキャンバスに沈めた長谷川は、高々と左拳を突き上げた。

　「前回、前々回と２回ＫＯが続いていて、今回はそれより早くてすいませんでした。長くやって、練習したことを確認したかったんですが…」

　圧巻の１回ＴＫＯ決着。長期安定を誇るＶ８達成にも、地元神戸のファンにリング上から頭を下げた。

　１分１６秒、左ストレートでマリンガをコーナーポスト下まで吹っ飛ばした。すかさず左右のコンビネーションでラッシュし、２度目のダウンを奪う。ここでセコンドに付いた山下正人会長（４６）もゴーサイン。一気にたたみかけ、左フックでテンプルを打ち抜くと、挑戦者はよろめきながら、ひざをついた。

　国内世界戦の１回ＫＯ防衛は、１９７２年５月の元ＷＢＡ世界Ｓウエルター級王者・輪島功一（三迫）以来、３７年ぶりの快挙。さらに、６度目の防衛から続く３連続ＫＯ防衛は、元ＷＢＡ世界Ｌフライ級王者・具志堅用高（協栄）、元ＷＢＡ世界Ｓフライ級王者・渡辺二郎（大阪帝拳）以来２６年ぶりだ。

　早業で観客を魅了して、さっそうとリングをあとにすると、同時進行していた粟生の試合を控室でテレビ観戦。１月のハワイ合宿に同行させるほどかわいがる弟分の王座奪取を、手をたたいて喜んだ。試合前には「次に話すときは世界一同士でな」とメールを送り、試合後は「ベルトを交換してもらおうかな」と笑った。

　８連続防衛は、前ＷＢＣ世界Ｓフライ級王者・徳山昌守（金沢）に並び、歴代３位。指名試合で同級１位の挑戦者を退け、２ケタ防衛も視野に入れた。同い年で親交が深い、ワールド・ベースボール・クラシック（ＷＢＣ）に出場中の松坂大輔投手（２８）＝レッドソックス＝が１５日から米国での第２ラウンドに臨む。こちらも「ＷＢＣ（世界ボクシング評議会）王者」。連覇を目指す戦友に、ひと足早く、手本をみせた。

By サンスポ

年を重ねる毎に強さを増すチャンピオン長谷川穂積。
13度の防衛記録を抜き去って欲しいね。