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2代目「洋介山」王座奪取

 プロボクシング・日本Sライト級(4日、後楽園ホール)日本Sライト級王座に挑んだ同級1位・小野寺洋介山(28)が王者・木村登勇(31)を3-0の判定で破り、王座を奪取。木村の同級防衛記録(日本記録)を13で止めた。

 2代目「洋介山」(ようすけざん)の小野寺が大金星だ。王座初挑戦で、日本Sライト級王座の防衛記録を更新していた王者から2回にダウンを奪うなど、大差の判定勝ち。「まさか自分が王者になれるなんて!」と喜びを爆発させた。05年にオサムジム・渡辺会長の勧めで、同ジムに所属し、90年代に人気のあった重量級ボクサー西島洋介山のリングネームを承継した。容姿、ボクシングスタイルは初代とは異なるが、「日本で一番弱い王者なので、努力して強い王者になりたい」といたって謙虚。

By サンスポ
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魔裟斗が現役引退を発表

 K-1MAXで世界王者に2度(2003年、08年)輝いた魔裟斗が現役引退を正式発表した。1日、都内ホテルで記者会見に臨んだ魔裟斗は「今年12月31日をもって現役を引退します」と年内引退を宣言した。
 今後は7月のK-1 MAX武道館大会と大みそか12月31日の「Dynamite!!」に出場する予定。出場が注目されていた4月21日の福岡大会では“魔裟斗二世”HIROYAとエキシビションマッチを行うことが決まった。

 「一番強い時に、まだもっと見たいと思われながら引退したかった」と引退理由を明かした魔裟斗は、残り2試合について「ゆるい試合をするつもりはない。ファンのみなさんが観たいと思う相手と戦いたい。最後はしっかりとした引退試合をしたい。最後までカッコよくいきたい」と意気込み。将来については「試合が終わってみないと分からない。いまは残りの2試合で最高の試合を見せたいだけ」と明言を避けた。

 なお、大みそかのラストマッチに関しては「今年のチャンピオンとやりたい」と今年の世界王者を最後の相手に指名。その理由を問われると「オレはカッコつけマンだから(笑)」とニヤリ。また、通常の3分3Rではなく、「3分5R、または3分7Rとかでやりたい。その方がKOの確率も高くなるから」と、最強の選手を相手に完全燃焼したい意向を語った。

■2度の世界王者、“顔”としてK-1MAXを牽引

昨年、5年ぶり2度目の世界王座を戴冠【t.SAKUMA】

 魔裟斗は1997年3月に全日本キックボクシング連盟からデビューし、99年には全日本ウェルター級王座を獲得。その後同王座を返上し、2000年にK-1に初参戦して以降は、70キロ級の中心選手としてまだ草創期だったK-1MAXを牽引するようになった。
 02年にスタートした第1回K-1MAX世界一決定トーナメントでは準決勝でアルバート・クラウス(初代王者)の前に涙を飲むも、翌03年には決勝戦でリベンジKOし、日本人初のK-1世界王者に。また、そのルックスと“反逆のカリスマ”と呼ばれる強気な言動で、格闘技以外のファン層にまで人気が拡大。テレビドラマ、バラエティーやCM、映画などにも出演し、文字通り“顔”としてK-1MAXをヘビー級以上のメジャーイベントにまで押し上げた。
04年大みそかのDynamite!!では山本“KID”徳郁とK-1ルールで対戦し、ダウンの応酬となる大激闘の末、判定2-0で勝利。この試合は最大で31.6パーセントの高視聴率をマークしている。04年以降は、ライバルであるブアカーオ・ポー.プラムック、アンディ・サワーに屈しタイトルから遠ざかっていたが、昨年、2度目の世界王者に返り咲いた。

 一方、私生活では、女優の矢沢心さんと約6年間の交際を実らせ07年2月11日に入籍し、結婚。また、今年3月22日には東京マラソンに出場し、3時間51分14秒で完走した。

 前人未到の3度目のK-1MAX世界王者への期待がかかっていた今シーズンだったが、世界トーナメント開幕戦(21日、マリンメッセ福岡)を前に現役引退が発表された。

■谷川プロデューサー「引退が正式に決まったのは1週間前」

谷川氏(右)は複雑な心情を織り交ぜつつ、魔裟斗引退に至るまでの経緯を語った【スポーツナビ】

 また、会見には谷川貞治K-1イベントプロデューサーも同席し、引退発表までに至る経緯を語った。

 今年に入ってから魔裟斗に会う機会が多く、魔裟斗夫人の矢沢心さんを交えての食事会などでも話し合いを持ったと明かした谷川氏。「僕の勘としては、もう引退するかもしれないなと去年くらいから思っていた」と、早くから予感めいたものがあったという。
 ただ「格闘家は時間がたてば、また試合をやりたくなってくるものなので、僕の方からは何も言わず魔裟斗君の結論を待っていた」と、現役続行への心変わりに期待を寄せていたが、魔裟斗の考えは引退へと進んだ。
 「正式に決まったのは1週間前」と谷川プロデューサー。「断腸の思いはあるし、ファンのみなさんには残念な思いをさせます」と語りつつも、長年魔裟斗を見てきた身としては、「魔裟斗君ほどの選手が決めたことに関して、『もうちょっとやってよ』とは言えないなと思いました」と今年いっぱいでの引退を了承したとのことだ。

 その一方で、魔裟斗不在となるK-1MAXの人気・興行面には不安も残るが、谷川プロデューサーは「不安はありません」とキッパリ。最後の相手に今年の世界王者を指名していることにも触れ、「確かに魔裟斗君は15年とか20年に一人の選手だと思う。でも、複雑な気持ちですけど、逆に今年のチャンピオンに魔裟斗君をぶっ飛ばして引退させてもらいたい。それくらいの気持ちでチャンピオンには戦ってほしいし、佐藤君とか小比類巻にぜひ世界王者になって、魔裟斗君をぶっ飛ばしてほしいですね」と、魔裟斗がいなくなってもK-1MAXは大丈夫だということを示すよう、今年のトーナメント出場全選手へゲキを飛ばした。

 また、魔裟斗は引退後の第二の人生について「まったく何も考えていない」と語っているが、谷川プロデューサーは「タレントになるとか考えていないと思うし、きっとMAXのために頑張ってくれると思います」と明言。その時は自分が引退して今後のMAXは魔裟斗君に任せようかな、と魔裟斗体制のK-1MAX確立も冗談交じりに語った。

■最後の試合は今年の世界王者とバチバチの試合を

引退を決意したのは本当に最近、と魔裟斗【スポーツナビ】

(以下は引退会見要旨)

 本日はお忙しい中、お集まりいただきましてありがとうございます。今年の7月と12月をもって現役を引退することに決めました。
 自分の中で思うスポーツ選手の引退の仕方は3種類くらいあって、一つは早い時期に負けてスパッとそこから足を洗う。もう一つは負けても本当にそのスポーツが好きで、ずっと続けていく。そして、もうひとつは本当に一番いい次期に、一番強い時に辞める形。自分は最後の3つ目の、一番強い時に、まだもっと見たいと思われながら引退したいと思って、今年で引退することを決意しました。

 言い忘れていましたけど、7月の試合は対戦相手が誰になるか決まっていませんが、12月31日は最高の相手とやりたいんで、今年のチャンピオンと、最後の試合を最強の相手とやりたいと思っています。
 あと、3分3ラウンドではなく、3分5ラウンドとか3分7ラウンドくらいでやってもいいかなと思っています。その方がKOする確率もすごい上がると思うので。最後の試合は本当に、オレはゆるい試合をやるつもりは全くないし、最後に本当のバチバチの、去年みたいな倒し合いをして、倒して最後は終わりたいと思います。

――21日の福岡でHIROYA選手とエキシビションマッチとなりましたが、抱負を。

 HIROYAは自分がいなくなった後にK-1を背負う可能性があると思っているので、話すよりはリングの上で、本当の戦いはできないですけど、何か伝えられることがあれば。3分間は短いけれど、オレが今まで積んできた経験を、口で言うより実戦で教えたいと思います。

――引退を最終的に決断したのはいつごろでしょうか?

 決めたのは本当、最近ですね。何が理由だったか、最後はきっちりとして辞めたかったんです。最後をこうやってやりますよというのを言いたかったので、本当に最近決めました。

――7月の試合については、強い選手はトーナメントに出ている最中ですが誰とやりたいという希望はありますか? 例えば総合の選手とか。

 ファンの人たちが見たいカードが組めればと思ってます。それこそ、アンケートをとってもいいんじゃないですか。そういう試合をしたいですね。みなさんが見たい試合をしたい。最後はオレがやりたい試合ができればいいなと思います。
■「来年の自分の人生計画はまったく考えていない」

「来年以降のことは考えていない。この2試合で最高の試合をするだけ」【スポーツナビ】

――魔裟斗選手はK-1MAXが始まったころは「おそらく早い時期に引退する」と言っていたと思いますが、最終的には30歳までやることになった。これはどういう心境の変化があったんでしょうか?

 うーん、結局は好きだから辞められなかったですね。どういう心境の変化か……何ですかね。2003年にチャンピオンになって、それから勝てなかったじゃないですか。それが去年ようやく勝てて……。うーん、どういう変化があったのか、ちょっと分からないです。

――去年のトーナメントで優勝したことで、やり切ったという感じがあったんでしょうか?

 やり切ったというか、去年の優勝でひとつの目標は達成できたと思いました。けれど、最後はしっかりとした引退試合をしたかったので。

――今年のトーナメントに参加しようという選択肢は?

 自分の中ではなかったですね。さっきも言ったように3分5ラウンド、もしくは7ラウンドでダメージのない状態で、最後は今年のチャンピオンと勝負したいと思ったので。それだったら、トーナメントの決勝戦よりいいなと思って、そうしました。そうしたというより、そうしたいですね。

――大みそかの最後の試合に、この選手に上がってきて欲しいと思っている選手はいますか?

 全然いないです。誰でもいいです。本当にチャンピオンとやりたいだけで、誰というのはないです。

――自分が引退した後のMAXのことが不安になったりはしないですか?

 MAXのこともそうですし、来年の自分の人生計画もそうなんですけれど、全く考えてないですね。本当に今はこの2試合で最高の試合をすることだけしか考えていない。これから先のこととかは全く考えてないです。

――7月は総合の選手でもという話がありましたが、DREAMに参戦している川尻(達也)選手が、魔裟斗選手を意識されている発言をしています。川尻選手についてはどう思っていますか?

 自分もその発言は雑誌を見て知っています。それがみなさんが見たいカードなら、喜んでやりますよ。「立ち技ナメんなよ」っていうのをオレが教えてやりますよ。

■印象に残っているのは優勝を決めたクラウス戦、キシェンコ戦

15歳からスタートした格闘技人生、アッという間だったと振り返る【スポーツナビ】

――これまでの格闘技人生を振り返って、どうですか?

 20代はアッという間でしたね。父親に連れられて(ボクシングの)ヨネクラジムに通い始めたのが15歳の時。そこに松本トレーナーという人がいて、「お前、ちゃんとやれんのか?」と言われて、「たぶん、やれると思います」と答えたんですけど、「お前、やれると思いますじゃダメだよ」って怒られたのが記憶にありますね。あぁ、もうあれから15年も経つのか、って。本当に2、3年前のように感じるので、アッという間でしたね。

――残り2戦が集大成になりますが、これまで戦ってきた中で印象に残っている試合、相手は?

 世界チャンピオンになった2試合、クラウス戦とキシェンコ戦が一番記憶に残っていますね。やっぱり一番うれしかったですから。

――ファンの間では2004年大みそかの山本“KID”徳郁選手との試合も印象深いという声もありますが、魔裟斗選手の中でKID選手の印象は?

 僕の中ではやっぱりチャンピオンになった試合の方が印象深いですね。

――魔裟斗選手にとって格闘技とは何だと思いますか。

 格闘技をやってきたことで本当に色々と学びました。人生は格闘技ですごい学べると思うんです。戦うことは人間の原点じゃないかなと思いますね。もっとほかにも原点はあるかもしれないですけど、昔から人間がやっている戦うことって、何だろうな……ビジネスマンをやっている友達も多いんですけど、格闘技とビジネスはまるで違いますが、なんとなくわかる部分があるんです。何て言ったらいいだろう……、ちょっと説明できないですけど、僕にとって格闘技は人生そのものなんですけどね。人生の半分くらい格闘技漬けでしたから。
 本当に僕を育ててくれましたし、格闘技と出会ってすごく大人になったと思います。格闘技やってなかったら、オレはどうなっていたんだろうなって思うし、オレにとっては格闘技やっていて良かったなと思いますね。

――将来的に格闘技で学んだことを何かに生かしたいという考えはありますか?

 本当に終わってみないと分からないですね。今はその2試合で最高の試合をしたいと思っているんで。
 きっと今までやってきたことは無駄にはならないだろうな、っていう自信はあります。
■ラストマッチに最強の相手を選ぶ理由「最後までカッコつけていたいから」

「エイプリルフールだから、引退はウソだったいうのもアリかも」と、最後は笑顔【スポーツナビ】

――引退を決意したのは最近ということでしたが、引退を考え始めたのはいつごろでしょうか?

 引退を考え始めたのも最近です。本当に今、オレ一番強いっていう自信がありますし、リングの上ではものすごいナルシストなんですよ。だから、今年だったら一番強い状態で、一番魅せられる自信あります。だから、今がいいかなって。

――今一番強いという自分が引退してしまうことに対して、もったいなという感情は起きないですか?

 引退してみないとそれは分からないですね。今は本当に考えてないですね。

――一番最後の相手に最強の相手を選ぶというのは勇気がいると思うんですが、それはなぜですか?

 カッコつけマンだから(笑)。最後までカッコつけていたいから。それはもちろん、すごい大変なことは分かっています。勝てるかも分からないですし、でも勝てるように最善の努力はします。やっぱり、オレらしく生きていこうということです。

――倒されてもかまわない?

 オレは倒しにいきますよ。バチバチの打ち合いですよ。去年の10月のような試合をして、最後、記憶に残るような試合をしたいですね。

――本日は4月1日エイプリルフールですけど、大みそかに勝った後、あの引退会見はウソだった、という可能性はあるんでしょうか?

 (笑)。まあ、あのー、4月1日だからそういうこともアリですよね(笑)。エイプリルフールだったから、あれはウソだったってね(笑)。

魔裟斗、タレント転向は「ない」/K-1

 03、08年K-1ワールドMAX王者・魔裟斗(30)が1日、年内での現役引退を表明した。この日、都内のホテルで谷川貞治イベントプロデューサー(47)と会見。

 引退後の人生プランに関し、魔裟斗は「先のことは何も考えていない」と説明。谷川氏には「タレントになるつもりはない」と伝えているという。技術だけでなく人気でもワールドMAXを支えた魔裟斗の功績は大きい。谷川氏は「僕が引退して、代わってもらおうかな」と、イベントプロデューサー転身にも期待を寄せていた。

井岡氏のおい・一翔12日デビュー

 プロボクシングの元世界2階級制覇王者・井岡弘樹氏(40)のおい、井岡一翔(20)=井岡=が31日、大阪市内の所属ジムで元東洋太平洋フライ級王者・小松則幸(グリーンツダ)と3回のスパーリングを披露した。12日のLフライ級6回戦(大阪府立体育会館)でプロデビューする。

 現役時代、金髪がトレードマークだった井岡会長にあやかり、「気持ちが引き締まる」と髪を金色に染めた。興国高時代、高校6冠を達成。東農大を中退し、1月にプロ転向。3月上旬には和歌山・白浜合宿を張り、4日間で160キロを走り込んだ。「目標はおじさん」と元気いっぱい。

By サンスポ

前田、日本人初ヘビー級王者/K-1

 K-1世界GP2009(28日、横浜アリーナ)K-1ヘビー級王座決定トーナメントで前田慶次郎(22)が、決勝でグーカン・サキ(25)=トルコ=を延長1Rの末に2-0の判定で破り、第2代王者に就いた。日本人戦士のK-1王者は世界MAX(70キロ以下)を2度制した魔裟斗(30)に続き2人目。ヘビー級では初の快挙となった。


 一発勝負が、新星を誕生させた。無印男が、厚く高いヘビー級の壁を突き崩した。前田がトーナメントで頂点に立った。1回戦で「顔を見るのもこわかった」というメルヴィン・マヌーフ(オランダ)に1RKO勝ち。3Rでは決着がつかず、延長に突入した決勝は手数でサキを圧倒した。

 「勝っちゃった。めっちゃ、ボクに(流れが)きてますね」。昨年4月のマイティ・モー(米国)との対戦では延長で判定勝ちしたが、テレビ中継でカットされた。まず、ファンの目を引きつける熱いファイトを見せることが大切と自覚。積極的に攻撃することを心がけた。

 右後頭部に星を刈り込んだ奇抜な髪形。入場曲はいかつい体に似合わず大塚愛の「さくらんぼ」。まだ、キャラクターの“正体”は見えない。現在は時給1000円で週2、3日アルバイトをしているが、「お金も入るし、週1回に減らそうかな」と豪快に笑う。「重量級の侍」から目が離せなくなった。By サンスポ

 バダ・ハリの王座はく奪により空位となったヘビー級王座を巡っては、メルヴィン・マヌーフ、タイロン・スポーン、グーカン・サキ、前田慶次郎が参加しての王者決定トーナメントが開催。並み居る強豪を前に、下馬評ではまったくといっていいほど名前の挙がらなかった前田だが、1回戦で“野獣”マヌーフにカウンターをさく裂させて1RKOで沈め、決勝戦でもトルコの新鋭グーカン・サキを延長判定で撃破。K-1史上初となる、重量級での日本人王者に輝いた。
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