世界ダブルタイトルマッチ(10日、代々木第2体育館、観衆=3200)帝拳ジムに所属するベネズエラ人王者ホルヘ・リナレス(24)は1回1分13秒、挑戦者ファン・カルロス・サルガド(24)にTKO負けし、王座から陥落した。
リングに衝撃が走る。わずか73秒のTKO劇。無敗の27連勝中だったリナレスは「信じられない…」。表情が凍り付いた。2階級制覇を果たし、V2戦は活動拠点にする日本で迎えた。「第二の故郷」で闘うのは2年8カ月ぶりだったが、一発のパンチですべてが狂った。
1回、右手でガードしたつもりの大きな左フックをこめかみに受け、腰から落ちて大の字に。さらにラッシュを浴びて2度目のダウンを喫し、ベルトを手放した。「ガードのすき間に思った以上に変則的に伸びてきて反応できなかった」。
9月に名王者デラ・ホーヤが運営する「ゴールデンボーイプロモーション」と契約を結び、次回防衛戦はラスベガスで闘う計画があった。同社のロベルト・ディアズ・マッチメーカー(40)は「負けても契約に影響はない」としたのが唯一の救い。リナレスは「ぜひ(新王者と)再戦したい」。失意の初黒星から立ち上がる。
PR