男子ゴルフツアーの第73回日本オープン最終日は19日、福岡県古賀市の古賀ゴルフクラブ(6797ヤード、パー71)で行われ、石川遼(17=パナソニック)が、この日のベストスコアタイの69で回り単独2位に入った。10代プロでは73年のツアー制施行後史上最高となる賞金2200万円を獲得。今季獲得賞金も10代史上最高の3931万円に伸ばし、賞金ランクも43位から19位にアップ。06年のドンファン(韓国)の19歳を超える、史上最年少シード選手が確実となった。 【石川遼カレンダー 日本オープン選手権 最終R成績】
最後まで自分のスタイルを貫き通した。既に優勝には届かなくなっていた最終18番も、石川はドライバーで果敢に攻めた。高い弾道で300ヤード近く飛び、横幅が17ヤードしかないフェアウエーの右サイドをとらえると、取り囲んでいたギャラリーがドッとわいた。4日間の成長の証となるショットの後は、残り125ヤードをPWでピン奥7メートルに2オン。2パットでパーをセーブし、この日のベストスコアとなる69でフィニッシュした。同組のB・ジョーンズがボギーを叩き、単独2位の座も手にした。
「最高のラウンドができた。最高に幸せ」。8月の関西オープンで優勝したが、ツアーでは今季最高の成績に石川は充実感を漂わせた。フェアウエーが狭く、ラフが深い屈指の難コース。ドライバーを封印する先輩プロが多い中、石川は「何を考えているのか」と言われながらドライバーで攻め抜いた。パットもさえ、この日は3~4メートルの微妙な距離をことごとく入れた。「いいリズム、いいスイングをすることが目標だったが、最高の4日間。すごく自信になります。点数をつけると99点」と笑みを浮かべた。
満点をつけなかったのは、ベストのゴルフをしても片山に及ばなかったためだった。「今週、僕は絶好調だったが、片山さんは普通のゴルフをやっているように見えました。もし片山さんが絶好調だったら、4打差ではなく20打くらい離されていたかもしれません」。10代プロの国内メジャー2位は、ツアー制施行後は最高成績。それでも満足せず、トップとの力の差を悔しがったあたりにプロの自覚がにじんだ。
単独2位で獲得した賞金2200万円は10代プロ史上最高の賞金額。今季獲得賞金も3931万円となった。昨年の賞金シード確定ラインが1059万円だけに、史上最年少シードは確実だ。それでも本人は「自分へのご褒美?2000円くらいあれば十分です」と無欲で「それより賞金ランキングが上がるのがうれしい」と続けた。次なる目標はランキング25位で出場資格を得る日本シリーズ。メジャーで成長した石川は、さらなる高みを見据えている。
By スポニチ
PR