激闘と波乱の連続に沸いた「Dynamite!!~勇気のチカラ2008~(08年12月31日・さいたまSA)」の一夜明け会見が都内のホテルで行われ、出席した青木真也、川尻達也らが一夜明けての喜びと09年の目標を語った。
「DREAM.5(08年7月21日・大阪城H)」での対戦が実現しなかったことから“まぼろし”とされていたエディ・アルバレスとの対戦で完勝とも言える一本勝利を収めた青木は、米国を拠点とするUFCライト級の頂点であるBJペンに対し「日本にも“シンヤ・アオキ”というひとつの頂点、目標ができた」と胸を張りコメント。世界のMMAを制圧するかの勢力を誇るUFC、そしてペンに対し“日本も負けていない”ことを改めて強く発信した。
K-1選手とDREAM選手の対戦ではK-1選手が大敗という苦い結果となったが、K-1の谷川貞治イベントプロデューサー(EP)は「いい今年のドラマになるし、競技的にも技術革命というか革新になった」と明るい表情で話していた。
一方K-1からDREAMルールに出撃し、三角絞めでの一本勝利を飾ったセーム・シュルトは09年の目標としてK-1スーパーヘビー級王座の防衛戦とグランプリ王座への返り咲きをアピール。08年には王座を追われた格好となったシュルトだが新たな目標としてK-1とDREAMの両立を掲げていた。
出席した主催者と選手のコメントは以下のとおり。
■谷川貞治EP
皆さん新年明けましておめでとうございます。
08年最後の最後まで素晴らしい試合をしてくれたファイターの皆さんありがとうございます。
昨日のイベントはおかげさまでとてもいいイベントであったと思います。
終了後に年越しのパーティーがありまして、私は主催の方とかスポンサー方にあいさつをさせていただいたり(DJ)OZMAさんと朝までアゲ ♂アゲ♂(EVERY☆騎士)を踊ったりしていてちょっと頭がくらくらしているんですけれども、みんな本当によろこんでくれていました。
K-1ファイター(武蔵、バダ・ハリ、武田幸三、エロール・ジマーマン)が結構負けてしまったのですが、逆に言うといい今年のドラマになるし、競技的にも技術革命というか革新になったのではないかと思います。
K-1は2月23日「K-1ワールドMAX」が代々木第一体育館でスタートします。「K-1ワールドGP」は3月28日横浜アリーナでスタートします。
今年も皆さんが興味のあるようなマッチメークをたくさん組んで、DREAMの方もがんばって、昨日も言いましたけど、われわれが世界で1番いいイベントを作れる集団だと思っています。
いいイベントを重ねていって、格闘技の熱を日本に取り戻して、世界へ発信していきたいと思います。
■笹原圭一EP
皆さん明けましておめでとうございます。
選手の皆さん、昨日はすばらしい試合をありがとうございました。
09年のDREAM1発目はまだ、時期と場所が未定ですが、もう少ししたら正式に発表できると思います。
昨日イベント終了後の会見でも申し上げたのですが、09年はウェルター級とフェザー級のグランプリ、ならびにライトヘビー級とヘビー級のチャンピオンシップ、その他の階級もベルトを中心にした戦いを組んでいきたいと思っています。
先ほど谷川さんもおっしゃられましたが、格闘技の中心が日本にあるということを証明するために、昨日のようなイベントを重ねて熱を取り戻していきたいと思っています。
昨日は多くのファンの方に来ていただけて、そのファンの方がまた会場に足を運んでくださると僕は確信しています。
■アリスター・オーフレイム
昨日は素晴らしい日でした。08年は立てた目標をすべて達成するように努力をし、成し遂げることができました。09年もそうなるように努力します。
そして自分を支えてくれた皆さんにも感謝します。恋人も大きな力になってくれましたし、チームメート、マネージメント、トレーナーといった人たちが自分を支えてくれたおかげでここまでくることができました。ありがとうございました。
■アンディ・オロゴン
昨日の夜の大会に参加できたことを感謝します。勝つことができてとてもうれしく思っています。08年はいい1年だったと思います。今年もがんばりますのでよろしくお願いします。
■HIROYA
皆さん明けましておめでとうございます。
昨日の試合は反省点が多かったんですけれども、結果的に勝つことができてうれしかったし、ほかの3人の選手も気持ちが強くて、自分もギリギリだったんですけど、あの中で1番になることができてうれしかったです。それと、魔裟斗さんと「絶対に優勝する」と約束をしていて、それが果たせてうれしかったです。09年もがんばりますのでよろしくお願いします。
■桜井“マッハ”速人
明けましておめでとうございます。08年は自分の中でいろんなドラマがあったんですけれども、09年は(ウェルター級)トーナメントがあるんで08年以上のドラマを作りたいと思います。応援してください。
■中村大介
明けましておめでとうございます。自分はここからが勝負だと思っていますので、気を引き締めていきたいと思います。あと昨日のイベントで日本のライト級はすごいレベルが高いなと改めて思いましたので、そこへ入っていけるように、日本の格闘技界を盛り上げていきたいと思います。
■青木真也
明けましておめでとうございます。皆様のおかげで無事に勝つことができました。
今UFCにBJペンというひとつの頂点があります。そして昨日の試合を終えたことで、日本にも“シンヤ・アオキ”というひとつの頂点、目標ができたので、海外の選手も集まってきてくれるんじゃないかと思っています。
「まだまだ日本格闘技、負けてないんだぞ」ということを世界に発信することができてうれしく思っています。
09年、世界と戦っていきたいと思います。
■川尻達也
明けましておめでとうございます。08年しょっぱなからつまんない試合したり、判定の試合したり、KOで負けたりとふがいない戦いばかりだったんですけれども、久しぶりに気持ちいい勝利ができて「終わりよければすべて良し」ということで、途中で投げずに続けてきて良かったなと思いました。
09年、青木くんがすごい衝撃的な勝ち方をしてくれたので、日本の格闘技、DREAMのライト級を僕と青木くんで盛り上げていけたらいいなと思っています。
今年は勝負の年になると思っています。昨日以上の試合をDREAMのリングで見せられると思うんで、応援よろしくお願いします。
■セーム・シュルト
08年は息子が生まれるなどよい年でした。ただ、K-1のベルトを防衛できませんでした。自分はその資格があると思いますので、09年は必ずまたタイトルを取りたいと思います。
■質疑応答
──ウェルター級とフェザー級グランプリの体重設定と参加選手数は?
笹原EP まだ人数は決まっていません。16人なのか8人なのか、まだ決めかねています。体重設定も大会日程とあわせてアナウンスを行う予定です。
──視聴率は出ましたか?
谷川EP 大みそかの視聴率は1月2日、瞬間最高視聴率は5日に出ます。昨日のイベントは最高に良かったんですが、ボクシングなどでもそうですが、視聴率っていうのは試合が長いほど上がっていくものなので、昨日は短い試合が多く、そこは「どうかな」と思っています。もちろんいい数字が出ればうれしいですけど、試合内容が良かったのであまり気にしていません。
──ライトヘビー級とヘビー級のチャンピオンシップ候補選手は?
笹原EP ヘビー級は外国人選手が中心になるかと思いますが、候補となる絶対的な選手はいない状況ですので、挑戦者決定戦みたいな試合を組んで生きたいと考えています。具体的な候補選手については検討中です。
──ライト級チャンピオンシップは今後どうなる?
笹原EP (同級王者、ヨアキム)ハンセン選手が不測の事態に陥ってしまい(ドクターストップで試合中止)復帰時期が分からないのですが、回復の時期を見ながら、J.Z.カルバンとの対戦を組むのか、違う誰かと戦うのか分かりませんが、彼が現王者ですのでチャンピオンシップを行うことにはなると思います。まずは精密検査の結果を待ちたいと思います。
──シュルト選手、DREAMヘビー級王座に興味がありますか?
シュルト もしもチャンスをいただけてK-1のキャリアと両立できるならもちろん考えます。
──HIROYA選手、次の目標は?
HIROYA 勉強も練習も一生懸命やって、大人の選手など強い選手と試合をしていきたいと思います。
──マッハ選手、前日会見からサングラスをかけていらっしゃいますが何かこだわりが?
マッハ いや、あのDREAMから「ネクタイをしろ」って言われて、僕あまりネクタイが似合わないと思うんでサングラスをかけました。それだけです。
──谷川EP、HIROYA選手から大人の選手と戦いたいという声がありました
谷川EP 大人の選手と当てていこうとも思っていますし、09年もK-1甲子園をやりますが、昨日はやらせ過ぎくらいやらせてしまったのは反省しています。彼らが70キロになれるのか分かりませんが、もし60キロくらいで体重が上がらないなら、彼らこそ60キロを面白くできる選手なんじゃないかと思います。今のチャンピオンよりもHIROYA選手含めあの4人(卜部功也、日下部竜也、嶋田翔太)の方が魅力を感じていますから、時間をかけてK-1ワールドMAXの60キロを作っていきたいと思います。
[ スポーツナビ 2009年1月1日 15:48 ]