プロボクシング・ダブル世界タイトルマッチ(3日、パシフィコ横浜、観衆=5000)WBC世界Sバンタム級王者・西岡利晃(32)が、挑戦者の同級7位ヘナロ・ガルシア(31)=メキシコ=を12回57秒、左アッパー8連打のTKOで破り、初防衛に成功した。32歳5カ月での防衛は、日本ジム所属で2番目の高齢記録。V2戦を日本人で初めて米国で開催するプランも浮上した。
痛む左拳で挑戦者のあごを突き上げる。最終12回。頭を下げて突っ込んでくる相手に左アッパー6連打。逆襲をかわし再び左アッパー2連弾をたたき込むと、ガルシアの体が大きく揺らいだ。レフェリーが試合を止め、西岡のTKO初防衛だ。
3回に右拳、終盤には左拳も相手の頭に当てて痛めたが、「ファンのためにも、倒したかった」と果敢に攻めた。4回に左アッパー、9回には左ストレートでダウンも奪う快勝だった。
5度目の挑戦で世界王座を奪った苦労人は、前戦より胸囲が2センチ厚みを増しパワーアップ。葛西裕一トレーナーも「挑戦者は思った以上にタフだったが、西岡も進化している」と証言する。昨年1月から美帆夫人(27)と長女・小姫ちゃん(2)を兵庫の実家に預け、都内で“単身赴任”。9月の王座奪取後、2週間だけ家族だんらんの日を送ったが、10月から再びボクシングに専念した。
クリスマスも正月も練習漬けだったご褒美は、ベルト持参で来月開く結婚披露宴だ。トランクスに妻子の名を刺繍(ししゅう)。試合後はリングに上がってきた小姫ちゃんに「パパ、世界チャンピオン、男前!!」とほめられ満面の笑みだ。
V2戦は同級1位の最強挑戦者、ジョニー・ゴンザレス(メキシコ)との指名戦。帝拳ジム・本田明彦会長(61)はラスベガスかテキサス州を候補に「4月か5月」と、日本人初となる米国での防衛戦プランを練る。
昨年大みそかにWBAフライ級の坂田健史(協栄)が、この日も小堀が敗れ、日本ジム所属の男子世界王者は過去最多タイの7人から5人に減った。悪い流れも断ち切った西岡は「やっと今、年が明けたんで、しばらく休ませて」と苦笑い。遅咲きのサウスポーはファンの期待を裏切らず、最強ロードをひた走る。
By サンスポ
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