プロボクシング・WBA世界フライ級タイトルマッチが31日、広島・広島サンプラザで行われ、王者・坂田健史(28)は同級1位の挑戦者デンカオセーン・シンワンチャー(32)に2回2分55秒KO負けを喫し、5度目の王座防衛はならなかった。
坂田は序盤から精彩を欠いた。劣勢のまま、手数でも圧倒され、2R終盤、坂田の右アッパーがデンカオセーンの顔をかすめた直後、挑戦者が放った右フックががら空きとなった坂田の顔面をとらえ、そのままマットに沈んだ。
日本初の大みそか世界戦、坂田の故郷・広島に錦を飾るべく臨んだこの試合。挑戦者デンカオセーンとは昨年11月に対戦して3者3様の判定で引き分け。坂田が2度目の防衛に成功したが、今回は最強の挑戦者の豪打に屈した。
また、世界王者のまま不慮の交通事故で他界し、「永遠のチャンプ」と呼ばれる故WBA世界同級王者・大場政夫氏(享年23)が持つ、日本人最多のフライ級5度の防衛記録に並ぶことはできなかった。
坂田の戦績は40戦33勝(15KO)5敗2分けで、デンカオセーンは48戦46勝(20KO)1敗1分け。日本のジムに所属する男子の現役世界王者は6人となった。
戦評
坂田は持ち味の粘りを発揮できないまま、早々と終わった。
試合開始から動きが硬く、手数も少なかった。1回から果敢に圧力をかけてくるデンカオセーンに防戦一方。左ジャブをガードのすき間から打ち込まれ、上下の打ち分けにも全く対応できなかった。2回終盤に右フックを頭部に受けて、ふらつくようにキャンバスに沈んだ。
坂田健史
「まだ信じられないというか…。体に疲れもない。何をもらって倒されたのかも分からない。せっかくの広島での試合で、こういう結果になって残念」
金平桂一郎・協栄ジム会長
「坂田はいい滑り出しだったが、いいパンチをもらってしまった。進退は選手が決めるもの。今はとにかくゆっくり休むことが大事だ」
鬼塚勝也氏(元世界スーパーフライ級王者)
「持ち味が出る前に打ち込まれた。倒れ方が今までにない感じで(疲労の)蓄積が限界にきていたんだろう。もう十分に戦ったと思う」
By サンスポ
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