巨神兵復活! シュルトが全試合1RKOで史上最多タイV4=K-1GP
スポーツナビ - 2009/12/6 3:31
17回目の開催となる「K-1 WORLD GP 2009 FINAL」が5日、神奈川・横浜アリーナで開催された。
今年のテーマとなったのは“政権交代”、そして“ストップ・ザ・アリスター”の2つ。
17年の歴史の中でブランコ・シカティック、ピーター・アーツ、アンディ・フグ、アーネスト・ホースト、マーク・ハント、レミー・ボンヤスキー、セーム・シュルトと、これまで生み出されてきた7人の王者に続く新チャンピオンが生み出されるのか? それともレミー、シュルトの歴代王者が再び優勝を果たすのか。そしてMMAからやってきたK-1史上最強の侵略者アリスター・オーフレイムを誰が止めるのか? あるいは規格外のパワーでもって初出場初優勝を果たすのか。
1回戦で極真空手世界王者のエヴェルトン・テイシェイラと対戦したアリスターは、得意のヒザをボディ→顔面と連続で突き上げるとわずか66秒で粉砕KO。ルスラン・カラエフをこれを上回る38秒で沈め勝ち上がったバダ・ハリとの準決勝へ駒を進める。
昨年大みそかに1RKOで無残に敗れた姿も思い返されたバダだったが、この日は1回戦の秒殺にも表情を崩さず、優勝へ向け集中を切らさない。苦杯を喫したアリスターを前にしても無表情を保ったままで、マットに投げつけられても動揺を表さない。
筋肉の鎧をまとったアリスターは鉄壁のガードでバダのパンチを弾いていたが、左フックを振るったところを一瞬速くバダのストレートがカウンター。さらに右ショートで追撃したバダが先制のダウンを奪う。
一気にフィニッシュへ向かったバダは攻撃が荒くなったもののアリスターに立て直す時間を与えず、左ハイを打ち込んでヨロめかせ、スタンディングダウンを奪取。2ダウンによるノックアウト勝ちを収め、自らのリベンジを果たすとともに、“ストップ・ザ・アリスター”を成し遂げた。
昨年あと一歩まで迫りながら自らの反則でふいにした王者の座へ再び王手をかけだバダだったが、その前に立ちふさがったのはV3王者セーム・シュルト。
今年5月に1RKOでバダに敗れたシュルトだったが、この日はジェロム・レ・バンナ、レミー・ボンヤスキーをそれぞれ1RKOで破り絶好調。絶対王者時代を思わせる強さを再び見せ、バダとの再戦まで上がってきた。
5月の対戦同様、開始すぐの速攻ラッシュでKO再現を狙ったバダだったが、被弾しながらも何とか持ちこたえたシュルトは左ストレートを打ち下ろして先制ダウンを奪取。そこから後は矢継ぎ早に左ハイ、ボディへの左前蹴りとダウンを追加し、アリスターにリベンジしたバダに、逆にリベンジを果たす形で優勝を成し遂げた。
“ストップ・ザ・アリスター”“政権交代”の2大テーマ完遂にあと一歩であったバダ・ハリだが、今年も王座奪取はならず。
一方、優勝者のシュルトはアーネスト・ホーストと並ぶK-1史上最多タイのV4王者になるとともに、98年のピーター・アーツ以来となる全試合1RKOでの優勝を果たした。