WBA世界フェザー級タイトルマッチ(24日、東京・後楽園ホール)世界初挑戦の榎洋之(29)が18日、都内の角海老宝石ジムで練習を公開した。科学的な筋力トレーニングを導入し、パワーは倍増。プロデビュー以来、10年間無敗のまま、世界挑戦の機会を待ち続けた不屈の男。練習を見守った夫人の悦智子(えちこ)さん(32)も万全サポートを約束する。
サンドバッグがきしみ、激しく揺れる。スパーリングを軽めに切り上げた榎だが、バッグに拳をたたき込むと、ジムの空気が張りつめた。
相手は9度防衛中の安定王者だが、榎に気後れはない。「1回から12回まで全部を最終ラウンドと思って攻め続ける。相手うんぬんじゃなく、自分がどこまで通用するか試したい」と気合を入れた。
2年前から千葉市内の専門トレーナーのもとに週1度足を運び、筋力アップに取り組んできた。木内勲トレーナー(51)も「弱点のない王者だが、パワーなら榎が上」と言い切る。
悲願の世界初挑戦へ、夫人の悦智子さんは3週間前から車で約1時間かけ、榎をジムに送り迎えしている。「(世界戦に)待ち疲れてかわいそうに思うこともあったし、(榎の)心が折れたこともあったけど、今は本当に明るいです」と、最終調整の練習に汗を流す夫を見つめ、涙ぐんだ。減量もリミット(57.1キロ)まであと3キロと順調。1カ月前から母・良子さん(61)も故郷の秋田県から上京し、食事管理も万全だ。
5月にWBA世界ライト級王者となったジムの後輩、小堀佑介も計10回のスパーに付き合ってくれた。「応援してくれる人たちのためにも、勝ちたい」。待ちに待った大舞台で、完全燃焼する。
By サンスポ
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