24日に行われるプロボクシング世界戦の調印式と前日計量が23日、都内で行われ、プロデビュー以来、10年間無敗で世界初挑戦の榎洋之(29)がリミットいっぱいの57.1キロ、9度防衛中の王者クリス・ジョン(29)は56.9キロで、ともに一発パスした。榎は、1人娘の凛子ちゃん(1)に悲願のベルト奪取を誓った。
待ち焦がれた瞬間が近づき、声が上ずった。
「ボクシングを始めて15年。2度とない舞台に全力でぶつかっていきたい。世界王者になるのが夢だった」
榎は調印式の席上、王者ジョンが持参した世界ベルトを横目でにらみつけた。その後の計量では、11キロの減量を実らせ一発パスし、安堵(あんど)の笑み。1カ月前に地元・秋田から上京し、食事管理をしてくれた母・良子さん(61)にも感謝した。
木内勲トレーナー(51)と二人三脚で10年間無敗。だが、世界挑戦の機会はなかなか訪れず、心が折れかけたこともあった。5月にジムの後輩・小堀佑介(27)がWBA世界ライト級王座を奪い先を越されたが、長女の凛子ちゃんの笑顔を見て耐えた。
「家族の支えがあったから、ここまでこられた。恩返ししたい」
試練を乗り越え、ついにつかんだチャンス。悲願の大舞台で、自分のすべてをぶつける決意だ。
By サンスポ
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