プロボクシングの世界2階級制覇を目指す元WBA世界ライトフライ級王者・亀田興毅(22)=亀田=との交渉合意問題で揺れる、WBA世界フライ級王者デンカオセーン・シンワンチャー(32)=タイ=が14日、都内で会見し、興毅が前日に発表した6月の世界戦には応じず、仕切り直しを主張した。初防衛戦は4月にタイで行い、8月以降のV2戦で改めて交渉するとした。
王者に付く2人の共同マネジャーが、別々に日本人選手と初防衛戦の契約を結んだ“ダブルブッキング”問題で、デンカオセーンがほおを膨らませた。
興毅が前日、王座挑戦の契約をデンカオセーンのプロモーターでもあるナリス・シンワンチャー氏(62)と結んだとする発表に対し、「ナリス氏が勝手に亀田側と契約しただけ。ボクは関係ない。彼が興毅と闘えばいい」と言葉を荒げた。
これまでのナリス氏のファイトマネー分配に不満を漏らし、昨年大みそかに当時のWBA世界フライ級王者・坂田健史(協栄)にKO勝ちし、王座を奪取したにもかかわらず、「今後の防衛戦は1試合100万バーツ(約260万円)に固定する」といわれ、堪忍袋の緒が切れたという。
もう1人のマネジャーで、王者の信頼を受けるニワット・ラオスワンワット氏(63)も会見に同席。同氏は、亀田陣営と契約したナリス氏と王者との間には現時点で契約関係はないとした。
タイでは選手とマネジャーが契約書を交わす慣習が薄く、デンカオセーンも口約束でニワット氏とナリス氏の共同マネジメントを受けていた。最近になって、ナリス氏の金銭の支払いに不満を示し、離別を決意。先月19日にニワット氏と選手契約を結び、同氏を通じて4月に元東洋太平洋Lフライ級王者・升田貴久(29)=三迫=との初防衛戦を計画。発表会見のために来日していた。
二重契約が表面化し、升田との対戦はキャンセル。4月にタイで初防衛戦(相手未定)を行うことに方針転換した。今後、王者はジムを移り、名前もデンカオセーン・クラティンデーンジムに変える意向で「相手は誰でも、興毅でもいい。ただ、ニワット氏を通してほしい」と要望した。現段階で6月の興毅戦は“白紙”とし、改めて交渉する余地を残した。
だが、亀田陣営と契約したナリス氏は、王者とは現在も契約関係にあると主張。亀田ジム・五十嵐紀行会長は「しかるべきプロモーターと話をしている。今は結果が出るのを待つしかない」。興毅の先は見えない。
By サンスポ
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