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WBC世界フェザー級タイトルマッチ(12日、後楽園ホール、観衆=2250=超満員)涙、涙、号泣の戴冠だ! 史上初の高校6冠を獲得した挑戦者・粟生(あおう)隆寛(24)が、王者オスカー・ラリオス(32)を3-0の判定で破り、王座奪取に成功した。最終12回にはダウンを奪い、最大12ポイント差をつける完勝。昨年10月の世界初挑戦で敗れた相手にリベンジを果たした。成長をみせつけた超エリートの拳に、魂が宿った。
立っていられない。完全集中していた緊張の糸が、一気に切れた。12回終了のゴングを聞いた粟生は、キャンバスに倒れるように突っ伏した。
「勝ちを確信して力が抜けた…」
勝利のコールが場内に響くと号泣。涙があふれ、ヒーローインタビューも言葉にならない。「お父さん、お母さん、ありがとうございます! (ベルトは)重かった」。3歳からボクシングを手ほどきし、リングサイドで見守った父・広幸さん(49)はつぶやいた。「お前は最高の息子だ」。
プレッシャーをかけ続けた。至近距離でも一歩も引かない。最終回。「倒せ!」。田中繊大トレーナー(36)の闘魂注入ビンタで送り出されると、左ストレートからのラッシュでダウンを奪う。昨年10月、4回にダウンさせながら判定負けした因縁の相手を、倒しにいって倒した。「前回と違って冷静だった。いいダウンを取れた」と進歩を証明した。
千葉・習志野高時代には史上初の「高校6冠」に輝いた。アマチュア、プロを通じて74連勝も果たし、迎えた世界初挑戦でラリオスにプロ初黒星を喫した。「王座を逃したのは技術じゃなく精神的な問題。でも、挫折とは思っていない」。ダウンを取りながら攻めきれなかった自身に問いかけ、世界戦10日後には練習を開始した。
「あと一歩、あと一発」-。それは勝負魂の表れでもある。粟生は、帝拳ジムの先輩王者の映像を手にしていた。73年1月、WBA世界フライ級王者・大場政夫は元王者チャチャイ・チオノイ(タイ)の挑戦を受け、1回にロングフックを浴びてダウン。そのとき右足首をねんざして、以降、右足をひきずりながら12回にKO勝ち。この回、大場の放った執念のパンチは70発を数える、伝説の逆転劇だった。
「大場さん、浜田さん、あのラッシュを出したい」。86年7月、勝負どころを見逃さず劇的な1回KO勝ちでWBC世界Sライト級王座を奪取した浜田剛史氏(48)=帝拳ジム代表=の姿も目に焼き付けた。試合開始直後、4度の手術を重ねた左拳が火を噴いた場面を見て、パンチとハートがつながった。
今回の試合は、前回の善戦が評価され、WBCホセ・スライマン会長のお墨付きで実現した異例のダイレクトリマッチだった。進化する新王者は「強い王者。単純に強い王者になりたい」。才能や巧さを超えた、強さだけを追い求める。
By サンスポ
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