脱、アニキ! プロボクシング「亀田3兄弟」の三男、和毅(17)が4日、都内のワタナベジムでWBC世界Sフライ級4位・河野公平(28)=ワタナベ=との2回のスパーリングを公開した。国内プロデビュー戦へ向け、鋭い左ジャブ、カウンターの左フックで河野をぐらつかせる場面も。長男・興毅(22)、次男・大毅(19)=ともに亀田=とはひと味違うテクニシャンぶりを披露した。
理詰めで、攻める。左ジャブの速射砲で相手を後退させた和毅が、一瞬の間をつくる。反撃して前へ出てきた河野に、待ってましたとカウンターの左フックを顔面にたたき込んだ。WBA世界Sフライ級ランク6位、WBC同4位の現役世界ランカーをひるませた。
「世界ランカーとええ練習ができて、うれしかった。本番では世界一のスピードを見てほしいな」。天候不良による遅延8時間と空路13時間の計21時間を要し、単身で修行を積んでいるメキシコから前日に帰国したばかり。それでも、距離とスペースをつくるアウトボクシングを展開した17歳は、満足そうな笑顔を浮かべた。
河野は9月にWBA世界Sフライ級王座決定戦に臨み、名城信男(六島)に1-2の僅差判定で敗れたが、世界レベルの実力者と堂々とわたりあった。
和毅は11月21日(メキシコシティー)、バンタム級4回戦でひと足早く海外でプロデビュー。右クロスのカウンターや左ボディーブローなどで積極的に攻撃して、2回KO勝ちした。だが、ガードを高く上げた、アップライトの構えから接近戦に持ち込んで打ち合う2人の兄とは明らかにタイプが違う。「オレは接近戦もできるし、(アウトボクシングも)両方OKなんや」と“脱アニキ”宣言。スパーを見守った長男・興毅も「試合の和毅はもっと速い。爆発するで」と予告した。
同行した父・史郎氏(43)も「ええ左ジャブを決めていた。和毅はハートが強いな」と目を細め、2人の兄とは異なる育成計画を明かす。興毅がプロデビュー12戦目、次男・大毅は同11戦目で世界の舞台に臨んだが、和毅については「慌ててもええことない」とプロで30戦以上を経験させてから、大舞台に挑ませるという。和毅も「世界(挑戦)は20歳か21歳くらいでええ。まずは自分のボクシングをつくる」と“3年先のけいこ”に取り組む。
8日の日本初陣を終えた後、来年1月には再びメキシコに戻ってプロ3戦目も内定した。亀田家の三男は、兄とは違うルートで頂点を目指す。
By サンスポ
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