五輪フィギュア 4位織田 ほぼノーミスで滑る 男子SP(毎日新聞) 2/17 14:12
バンクーバー五輪フィギュアスケート男子ショートプログラム(SP)で84.85点で4位に入った織田信成(関大)。五輪デビューの演技としては、上出来だった。ほぼノーミスの内容で、日本男子選手として歴代最多のグランプリ(GP)シリーズ通算5勝の実績が、だてではないことを示した。
冒頭のトリプルアクセル(3回転半)、続く3−3回転連続と得点源のジャンプを確実に決めていく。中盤のサーキュラーステップでは観客から手拍子が起きた。3種類のスピンも、狙い通り最高のレベル4認定。自己ベスト(87.65点)には届かなかったが、84.85点の高得点だ。
今季の織田はフリーに比べ、SPをやや苦手としてきた。優勝したフランス杯、2位に入ったGPファイナルや全日本選手権は、フリーで順位を上げた。フランス杯SPでは表現力などを示すプログラム構成点の低さに、「夏場は表現力を課題に練習してきたのに。すごいショック」と涙を流したほどだ。
SP曲の「死の舞踏」(原曲リスト作曲)は曲調が速く、「疲れると曲に(演技が)遅れて焦ってしまう」とやや苦手意識を持つ。今大会に向けて「SPはすべてのエレメンツ(要素)を確実にこなすこと。力強さを見せたい」と心掛けてきた。前回トリノ五輪女子で優勝候補筆頭だったイリーナ・スルツカヤ(ロシア)がSPでこの曲を使い、総合3位に敗れた。だが、そんな“縁起の悪さ”も、今季好調の織田には関係なく、持てる力を十分発揮した。
日本男子初の五輪メダル獲得に向け、2日後のフリーにつながる演技。フリーでは今季成功のない4回転トーループを跳ぶのか。「フリーでは笑顔を見せられたらいい」。先祖の戦国武将・織田信長譲りの勝負強さを発揮できるか、いよいよ真価を問われる時だ。
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