トリノの経験生かし好発進=成長遂げた新生チーム青森〔五輪・カーリング〕(時事通信)
カナダで国民的スポーツのカーリング。自国開催の五輪で競技開幕を迎えると、会場は満員に膨れ上がった。
この熱気の中、チーム青森のメンバーで編成した世界ランキング9位の日本女子が登場。スキップ(主将)の目黒萌絵選手(25)は「会場は熱かった。(コールの)声も通りづらくて」と笑ったが、浮き足立つことはなかった。
初戦の相手は世界ランク6位の米国。1点リードで迎えた最終第10エンド、相手スキップのマコーミック選手が投じた最終ストーンが日本の石を玉突きにした。黄色と赤が1個ずつ。中心に近いのはどちらか。見た目では分からなかった。
計測器による判定で日本の得点が告げられた。第4エンドまで1―4の劣勢を逆転し、最後はミリ単位の勝負を制して勝利をつかんだ。目黒選手は「トリノ五輪の経験が、前半にリードされても粘っていけることにつながった」。序盤戦で出遅れ、挽回(ばんかい)し切れなかった4年前からの成長を感じた。
トリノもチーム青森で臨み、日本中を大いに盛り上げた末に7位。準決勝進出にあと一歩だった。メンバーは入れ替わったが、前回を経験している目黒選手とセカンドの本橋麻里選手(23)がチームを引っ張る。本橋選手は「トリノ五輪が頭にあった。今回は初戦でつまずきたくなかった」。4年前はロシアに逆転負けのスタート。同じ失敗は繰り返さなかった。
17日(日本時間18日)の第2戦は地元カナダが相手。胸を借りる立場に違いないが、トリノでは波乱の勝利を演じている。目黒選手は「アウェーといっても相手にはプレッシャーがある。そこをうまく生かして、伸び伸び思い切ってプレーしたい」。新生チーム青森の新たな挑戦が始まった。(バンクーバー時事)
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