F1世界選手権は12日の「フジテレビ日本GP」を終え、今季も残すところあと2戦。会場の富士スピードウェイ(静岡・小山町)では、来季の各チーム体制に関心が集まった。来季、空席のできるトロロッソでは、スーパーアグリの撤退でシートを失った佐藤琢磨(31)が9月に入団テストを受けた。元F1ドライバーで、トロロッソの共同オーナーであるゲルハルト・ベルガー氏(49)に、琢磨獲得の可能性を聞いた。
琢磨らが参加したテストから間もなく1カ月。ベルガー氏は現在も4~5人の獲得候補者がおり、今後、候補者が増える可能性もあるという。
琢磨の対抗馬には、親チームのレッドブルでテストドライバーを務めるブエミや、ベルガー氏が現役時代に同僚だった故アイルトン・セナ氏のおい、ブルーノらがいる。今季はF1直下のGP2に参戦した両者に対し、琢磨が優位に立てるのはF1参戦90戦の経験だ。現役時代はマクラーレン・ホンダやフェラーリなどで活躍したベルガー氏は「F1に出場し、プレッシャーに耐えられる選手が理想的だ」と語る。
十分な経験を持つ選手として琢磨のライバルになりかねなかったハイドフェルトがBMW残留を決めている。規定が大きく変わる来季に向け、すでに始まっている新型車の開発のために、「年末には来季体制を決める」とベルガー氏は語る。
琢磨を評価しつつも、11月の今季閉幕後に他のベテラン選手がチームを退団する可能性を模索しているのか? 今季の王者争いと同様、決断は最後までもつれそうだ。
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