屈辱の復帰戦…KID5年ぶり負けた
神の子が5年ぶりの敗戦を喫した。「DREAM9」が26日に横浜アリーナで行われ、フェザー級GP2回戦で1年6カ月ぶりにリング復帰した山本“KID”徳郁(31=KRAZY BEE)は元全米アマレス王者ジョー・ウォーレン(32=米国)のタックルに手を焼き、1―2と判定負けした。
まさかの事態に、1万5009人の観衆から悲鳴があがった。ガッツポーズを見せるウォーレンと対照的に、山本“KID”はリング上で苦笑いを浮かべるしかない。1―2の判定負け。04年の大みそか、魔裟斗に敗れて以来5年ぶりの黒星だ。総合ルールでは修斗時代の02年5月5日、ステファン・バーリングにTKO負けして以来7年ぶりの屈辱だった。
「判定は、やっぱり(自分が)下になったのが多かったのでダメだったのか…。負けは負け。相手は組みが強くて、腕がパンパンになってパンチが出せなかった。相手の土俵に付き合ったので腕が疲れたのが敗因」。冷静に振り返るしかない敗戦だった。
07年大みそかのDynamite!!以来、512日ぶりのリングが試合勘を狂わせた。序盤から右ローキックで相手の出足を止めたものの、強引にタックルに来るウォーレンを止められなかった。逆に組まれると、ひざ蹴りとパンチをもらう悪循環。1Rに眉間(みけん)から出血し、2Rになってもパンチで相手を倒すことはできなかった。
復帰へ向けて地道に努力を続けた。4月には静岡・伊豆で合宿を行い、山での走り込みや水泳、滝に打たれる修業も経験した。肉体的にも精神的にも強くなったはずだった。「きょう欠けていたものを、しっかりとやっていきたい。やっぱり練習ですかね」と前を向いた山本“KID”。フェザー級GPは敗退したが、すべてがダメになったわけではない。“神の子”は「次に向けて頑張りたい」と再起を誓っていた。
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