カンセコ、ダメジャ~…空振りKO負け 「DREAM・9」(26日、横浜アリーナ)
大リーグの元スーパースターの格闘技デビュー戦は、“空振り”でのKO負けに終わった。無差別級のスーパーハルクトーナメント1回戦が行われ、ホセ・カンセコ(44)=米国=が、“韓流大巨人”崔洪万(28)=と対戦。強烈なパンチを浴びせられ1回77秒でKO負けした。トーナメント準決勝には、崔、ソクジュ(25)=カメルーン、ミノワマン(33)=フリー、ケガール・ムサシ(23)=オランダ=が進出した。
◇ ◇
44歳のオールドルーキーが、格闘技の厳しさを思い知った。大振りの右フック、サイドキックで先手を取ったが「効いたと思ったら、まだ崔が立っていた」と仰天。来日前から痛めていた右ヒザを悪化させ、サイドキックを放った際に転倒した。そのままパンチを食らい続け、レフェリーがストップをかけた。「これほど大変なのか」-。夢が終わりを告げた。
入場が最大の見せ場だった。野球映画「メジャー・リーグ」の主題歌「恋はワイルド・シング」に乗り、バットを担ぎ、29歳の美人マネジャーを従えてリングイン。「突然、正気になった。こんなところで『オレは何をやっているんだ』と思った」。ゴング前に、われに返った。
13歳で空手を始め、大リーグ時代から20年、ムエタイを習った。通算462本塁打の強打者は、本番1カ月前にオファーを受諾。指導者不在で練習が不十分の中、「引退してからずっと、格闘技をやりたかった」という気持ちだけで戦った。
試合後の表情は晴れやかだった。引退後は、禁止薬物使用や歌手マドンナとの不倫を暴露した自伝を出版。ステロイド依存を克服するバラエティー番組に出演するなど、私生活を切り売りする芸能活動を展開。「日本にこなかったら後悔していた。やり終えた達成感は感じることができた」と、格闘家として生まれ変わった自分を誇った。
今後については「よくわからない」とだけ話し、「プロポーズの返事を待っている」という美人マネジャーと引き揚げた。すべては私生活にケジメをつけてからになりそうだ。
[デイリースポーツ]
PR