柴田、感無量の先輩越え 石澤とのプロレスラー対決を制す=DREAM
柴田(右)が石澤とのプロレスラー対決を制す【福山洋平】
これまでのリングではなくヘキサゴン(六角形)の金網を導入して試合を行う「DREAM.12」が25日、大阪城ホールで開催された。
DREAMの金網は従来多く見られた黒ではなく、白を基調とした“ホワイトケージ”。試合も通常と異なる5分3R制を採用し、あたかも“DREAMでありながらDREAMでない”ような異空間が現出となった。
第5試合では柴田勝頼vs.石澤常光のプロレスラー対決が実現した。試合は両者足を止めて打ち合うなど気迫のこもった攻防が展開され、最後は柴田の左フックがカウンターで石澤にヒット。すかさずパンチで追った柴田がレフェリーストップ勝ちを収めた。
試合後、「ボクにとって意味のある大きな試合、ターニングポイントになる試合でした」と語った柴田。かつて在籍した新日本プロレスの先輩、そしてあこがれの選手だった石澤から勝利を得て、感無量の表情を見せながら「プロレスの持つ何かを教えられた」と感謝の言葉を口にした。
一方の石澤は柴田について「強くなったなぁ、と思いました」と感慨深げ。しかし、すぐさま「柴田がこんだけ頑張っているときに、師匠である船木(誠勝)! 何をやっているんだ。全日本でプロレスやっている場合か!」と柴田の総合格闘技の師匠にあたる船木を一喝。「なぜ全日本プロレスなんだ。武藤敬司にだまされるな」と、いつものカシン節を炸裂させていた。
柴田と石澤のコメントは以下のとおり。
■柴田 「プロレスの持つ何かを教えられた」
――試合の感想は?
ボクにとって意味のある、大きな試合でした。ターニングポイントになる試合でした。ラクター7移籍後、初めての試合で、この世界に入るキッカケとなった石澤さんとできた。自分にとって、プレッシャーのかかる試合でした。試合前は吐きそうでした。桜庭さんもいい勝ち方をしたので、この流れを年末まで持続していければいいです。
――ラクター7に入って成長したのは?
ハートですかね(笑)。気持ちの持ち方とか。今までストイックにものを考えていたが、広い視野で考えられるようになった。
話は戻りますが、石澤さんがボクとの試合をなんで受けてくれたのか分からなかった。ずっとタックルを警戒していたんですが、正面から殴り合って魂を感じました。プロレスの持つ何かを教えられたような気がします。
――何を考えて戦った?
倒すことだけ、勝つことが本当の恩返しだと。勝つことが宿命でした、今日の試合は。何としてでも勝たないといけない試合だったんで。
――何回かタックルに来られたが
タックルは完封しましたね。石澤さんはハートが強いです。手応えがあるパンチが何発か行ったんですけど、全く顔に出さなかった。ガンガン来たんで。
――終わったあとの涙は?
感極まりましたね。もう試合前から来てました。
――リングの上で何を話していた?
ちゃんとしゃべれてなかったんですが、「ありがとうございます」と。それしかなかった。
――大みそかは?
ぜひ出たいですね。ボク自身は無傷なんで。
――勝たないといけない、と追い込まなければならなかった?
自ずと、です。そこまで来ましたね。まさかこのタイミングでやるとは、1週間前まで思っていなかったんで。ぶっちゃけ、今まで一番緊張しました。試合が始まるまで足が震えていました。何か分からないが、プレッシャーがあって緊張しました。
――新日本時代の何か?
苦手意識ではないけれど、雲の上の存在でした。自分の手でガッチリつかんだ勝利ではなかったか、と思います。
■石澤 「(柴田は)強くなった。(船木は)逃げてる場合じゃないだろう」
――試合を終えての心境は?
強くなったなぁ、と思いました。強くなった。柴田がこんだけ頑張っているときに、師匠である船木! 何をやっているんだ。全日本でプロレスやっている場合か! 船木、鈴木は、なぜプロレスに逃げているんだって話ですよ。
――その2人と石澤さんが戦う、と
そうじゃなくて。逃げてる場合じゃないだろう、と。なぜ全日本プロレスなんだ。武藤敬司にだまされるな。
――試合後に何を話しかけていたんですか
よくやった、と。
――ブランクは感じましたか?
2週間の練習でできましたから。どうなんでしょうか。
――今後は?
プロレス、格闘技界の経営改革を。選手が安心して働けるように。
――オファーがあればですが、ダイナマイトは?
あるわけないでしょ(笑)。
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