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亀田興毅が冷徹な終止符を打ったビッグマッチ WBC世界フライ級タイトル戦

亀田が冷徹な終止符を打ったビッグマッチ
WBC世界フライ級タイトル戦

2009年11月29日(日)

 WBC世界フライ級タイトル戦(29日、さいたまスーパーアリーナ)の内藤大助(宮田ジム)対亀田興毅(亀田ジム)は、挑戦者の亀田がパーフェクトに近いポイントアウトで王者・内藤に圧勝した。判定は116-112、117-111、117-111の3-0。まるでダメージの見受けられない挑戦者と、腫れ上がった顔から鼻血がしたたり落ちる王者の姿を見れば、勝敗は判定を聞くまでもなく明らかだった。

亀田優勢が明白になった6、7ラウンド

 8ラウンド終了時の採点で78-74と4ポイントの差で亀田優勢を支持するジャッジが一人いたため、内藤はその時点ですでにダウンや相手の減点がなければ3-0には持ち込めない状況に追い込まれていたことになる。ただ、亀田の優勢はより早い段階で見えていた。象徴的だったのは、試合の折り返しにあたる6、7ラウンドだ。6ラウンド序盤に亀田が左ストレートをヒット。前へ出てくる内藤に合わせたショートパンチのカウンターだった。ポイントの巻き返しを狙って積極性を高める内藤に対し、亀田はステップで距離を外しながら様子を見ると、少し前かがみにブロックを作って足を止める様子を見せた。内藤にしてみればインファイトに持ち込んで亀田のアウトボクシングのリズムを崩す絶好機だったが、パンチを打ち終わった後のリカバリーが遅く脅威を与えられなかった。続く7ラウンドはともに決定打のないまま終えたが、アウトボクシングでテンポよく試合を進める亀田に対し、前へ出る内藤は攻め手を失っていることを隠せないラウンドとなった。

内藤の攻撃を上回った亀田のステップコントロール

 亀田にしてみれば、最も得意とする形でリスクを負わずに試合を進めることができた。カウンタータイプの亀田がどのように内藤を待ち受けるかは一つの注目ポイントだったが、選択したのはステップコントロールだった。右対左で距離が近いため、接近戦の中で足を止めてパーリング(手でパンチを払う守備)とブロックでしのぎながら戦うという選択肢もあったはずだが、結果的にはステップで内藤から「手数で優勢」という武器を取り上げた。バックステップは、相手の連打を避けきれずに押し込まれて印象を悪くするというデメリットにつながる可能性も含むが、好調時に比べて連打の少ない内藤の勢いは十分ではなく、内藤がパンチを打ち終えて体が止まったところへ、亀田が得意の左ショートストレートを何度もヒットさせた。亀田は確実にリードを奪った中盤以降もリスクは冒さず、勝負に徹して内藤にばん回の機会を与えなかった。

内藤は積極性を貫くもガス欠

 一方の内藤は、アグレッシブなファイトで追い続けるにはスピードとパワーが足りなかった。1ラウンドは動きながら探りを入れたが、ラウンド終盤に亀田がノーモーションから繰り出した左ストレートを浴びた。細かいフェイントで相手を誘い込みながら打って出るのが持ち味だが、じっくりと待ち受けられて先にアイデアが尽きてしまったような印象だった。引き分けでも防衛となる王者の強みを考え合わせれば、カウンタータイプの相手が出てこなくてはならなくなるまでジャブを突き合って誘い出しに終始するという作戦も選択できただろうが、リングアナウンサーから「国民の期待」と紹介されたベテラン王者は凡戦での勝利をよしとはしなかったようだ。最後まで果敢に攻め、カウンターでポイントを奪われる度に次のラウンドで出足を強めてすぐに点差を埋めていくあたりは老かいさが垣間見えたが、中盤以降はダメージの蓄積もあり運動量を欠いた。

 亀田が世界戦線に浮上し、当時日本王者だった内藤が「たまには日本人とやろうよ」と明らかな対戦要求をした2006年から両者は因縁を深めてきた。07年には内藤が亀田家の次男、大毅を撃破。敗者サイドが判定を繰り返して謝罪に至るなど、さまざまな紆余曲折(うよきょくせつ)の末にたどり着いた話題満載のビッグマッチだった。いわゆる打ち合いにはならず、高まる期待に比べて消化不良を感じた観客・視聴者がいたかもしれないが、大差判定の決着自体は妥当な結果だった。



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亀田の負け!具志堅氏断言、序盤KOも

亀田の負け!具志堅氏断言、序盤KOも
デイリースポーツ - 2009/11/29 9:28

 「WBC世界フライ級タイトルマッチ」(29日、さいたまSA)
 28日、東京・水道橋の後楽園ホール展示場で計量が行われ、王者・内藤大助は50・7キロ、挑戦者・亀田興毅は50・8キロでともに一発パスした。デイリースポーツ評論家の具志堅用高氏(54)が内藤-興毅戦を分析し、「内藤の王座防衛」を予想した。
  ◇  ◇
 私の予想では6対4で内藤が有利だ。私も経験したが、世界戦の緊張感は並大抵のものではない。まして、亀田は初めての日本人選手が相手。今までのような格下相手の試合とは全く異なる。試合当日は体がガチガチになり、体が思うように動かないだろう。
 その点、内藤は冷静に戦えるだろう。今回が6度目の防衛戦で、世界戦の雰囲気にのまれることはないと思う。それがキャリアというもので、内藤にあって亀田にはないものだ。1ラウンド目の動きは両者、明らかに違うはず。キャリアの差が出るだろう。
 内藤を有利としたもう一つの要素は、手数が多いこと。これまでの防衛戦を見ていても挑戦者よりも手数を出している。それが勝利へとつながっている。亀田が1発2発出しても、内藤は4発パンチを出す。経験上、手数の出る選手はここ一番で強い。
 内藤、亀田共にバッティングに関しての作戦を考えていると思う。内藤はカットしやすいから、試合途中でストップし、負傷判定ということもある。だから、2人とも1ラウンドからポイントを取りにガンガン行くだろう。「後半勝負」などとは言ってられないな。
 亀田は今回フットワークは使えないだろう。緊張で足が思うように動かないだろうし、その状態で12ラウンドはもたない。だから、今まで通りのファイタースタイルでくるだろう。内藤は変わらずのファイタースタイルだから、試合は足を止めての打ち合いになると予想する。
 試合のカギを握るパンチは、内藤は左右のストレート、サウスポーの亀田は右フックと左ストレートだ。亀田もパンチがある選手だが、現段階では、やはり内藤のキャリア、技術にはかなわないだろう。内藤が序盤でKOする可能性は十分にある。(デイリースポーツ評論家=元WBA世界ライトフライ級王者)

亀田父のチーフセコンド困難に=WBCの意向受けJBC

亀田父のチーフセコンド困難に=WBCの意向受けJBC

 日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛事務局長は26日、世界ボクシング評議会(WBC)が承認する試合で、選手の親族がチーフセコンドを務めるのは困難になったとの見解を示した。亀田3兄弟の父でセコンドライセンス無期限停止中の史郎氏は処分解除を求めているが、試合のインターバル中にロープ内で作業できるチーフセコンドへの復帰は難しくなった。
 WBCは規定で親族がセコンドを務めることを原則禁止しているが、開催地の統括団体が許可した場合は例外を認める条項がある。安河内事務局長がWBCに再確認したところ、「チーフセコンドからは排除するべきだ」との回答があった。同事務局長は「排除という厳しい表現を使っている。基本的に禁止ということ。地域コミッションとしても簡単に許可できない」と語った。 

和毅、兄弟で勝利のバトンリレーや

和毅、兄弟で勝利のバトンリレーや

 ボクシングの亀田3兄弟の三男・和毅(18)=亀田=が26日、都内でIBFフライ級13位のマーロン・マルケス(28)=ニカラグア=とのバンタム級8回戦(デイリースポーツ後援・27日、東京都江戸川区スポーツセンター)へ向けて前日計量を行い、53・3キロの200グラムアンダーでクリアした。
 世界ランカーとの初対決に「一番強い相手。勝ってつなげたい」と、内藤に挑む兄・興毅へ勝利のバトンリレーを誓った。プロ2年目の11試合目へ「来年は地域タイトルを取りたい。焦らず、経験を積んで世界を目指す」と気合を込めた。

5回までにKOや!亀田パパが興毅圧勝予告

5回までにKOや!亀パパが興毅圧勝予告
スポーツニッポン - 2009/11/26 7:03

 興毅が5回KOで2階級制覇や!亀田3兄弟の父・史郎氏(44)が25日、スポーツニッポンの単独インタビューに応じ、WBC世界フライ級タイトルマッチ(29日、さいたまスーパーアリーナ)での長男・興毅(23=亀田)の完勝を予告した。王者・内藤大助(35=宮田)を相手に、5回までのKO勝利か大差の判定勝ちと宣言。セコンドライセンス無期限停止処分中のため、試合当日は青コーナー付近の客席から見守ることになるが「オレが(指示の)声を出さんでもええぐらいの内容になる」と息子の勝利を信じて疑わなかった。

 長男・興毅の大一番を前に、父・史郎氏が吠えた。「普通に力を出せば5回までの前半にKOや。判定だったら大差。内容にもこだわるで」。自信に満ちあふれたまなざし。まるで自分が拳を交えるような気迫をにじませた。

 息子の王座奪取を確信するのには理由がある。「調子は最高やし、特にカウンターが凄い。今なら一発入れば10カウント取れる破壊力がある。敵はプレッシャーだけや」。小学6年で興毅がボクシングを始めてから一緒に歩み続け、わずかな調子の違いでも見分けられる父子鷹ならではの言葉だった。

 興毅にとっては07年10月、内藤に判定で敗れた次男・大毅(20=亀田)の敵討ちとなる。その試合で大毅が反則騒動を引き起こし、史郎氏も反則を指示した疑いでセコンドライセンス無期限停止の処分を受けた。2年がたち、ルールに従って処分解除を申請しているものの、29日に迫った大一番には間に合わなかった。リングサイドの客席から見守ることになり、セコンドとして指示を送ることはかなわない。それでも「(指示の)声を出さんでいいぐらいの試合をしてくれるはずや」と、試合途中の公開採点でも大差をつけるほどの圧勝を予告した。

 「35歳のおっさん(内藤)にやられてるようじゃあかん。世間はビッグマッチとか騒ぐけど、興毅はこれからが本当の勝負なんや」と史郎氏。内藤戦はあくまで通過点。夢の海外進出や史上初となる3兄弟での世界王座獲りに向けて、長男の背中を力強く押した。
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