五味隆典、判定辛勝「これは大みそか魔裟斗と無理だな」=VTJ10年ぶり復活大会のメーンでKO勝ちが期待された五味(左)だったが、後半失速し判定辛勝に終わった【t.SAKUMA】
「バリジャパ」の愛称で親しまれ、10年ぶりの復活となる総合格闘技「VALE TUDO JAPAN 09」が30日、東京・JCBホールで開催された。
メーンにはこれが日本ラストファイトと噂される五味隆典が登場。米金網大会「キング・オブ・ザ・ケージ」の王者で危険な打撃を持つサウスポー、トニー・ハービーと対戦した。
パンチの合間に前蹴り、後ろ回しと蹴りを交ぜてくるハービーをなかなか攻め立てられない五味だが、2R中盤から得意のボディブローを繰り出し、続く3Rに大爆発。
グラウンドでヒザをまとめ打ちして猛攻を仕掛けると、立ち上がって逃げたハービーを左右ストレートで追い、再びグラウンドに倒すと完璧な形で腕十字。完全に腕を伸ばし切ったが、足のロックが不十分であったかハービーはタップをせずにこの大ピンチを乗り切り、ラウンド終了のゴングを迎える。
しかし一方の五味はこのラッシュで完全に息が上がってしまい、4Rからは一転ピンチに見舞われることとなる。フットワークが利かず足が動かないためハービーの攻撃にさらされ、反撃に移ろうにも体が動かない。ダウン気味に倒れるも追ってきたハービーをグラウンドで下にしてしのぎ、さらにハービー自身も消耗で攻め切る力が残っていなかったことからなんとか4・5Rを乗り切って試合終了。ジャッジ3者の採点は47-45、46-45、46-44と、いずれも3Rの攻勢が大きく支持を受けた形で3-0で五味の判定勝利。“スカ勝ち”とはらなかったが、10年ぶりに復活したバリジャパで凱旋勝利を収めるのには成功した。
試合後マイクを取った五味は、「日本最後なんて言わなきゃよかったです。めいっぱい頑張っちゃいました」と苦笑い。そして、「いい勝ち方をしてリングの上で言いたい」と大会前日に語っていた“予告”については「これは大みそか魔裟斗と無理だな」と、魔裟斗への対戦表明であったことを明らかにしたが、自身納得のいかない試合内容であったことから「また練習して次の試合頑張ります。今日はガッカリさせちゃってすいませんでした」と反省の弁を口にしてリングを後にした。
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