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ボクシング プロ13連勝の内山、待望の世界戦デビューへ

ボクシング プロ13連勝の内山、待望の世界戦デビューへ
毎日新聞 - 2009/12/26 11:00

 世界ボクシング協会(WBA)スーパーフェザー級3位、内山高志(30)=ワタナベ=が来月11日、東京ビッグサイトで同級王者、フアンカルロス・サルガド(25)=メキシコ=に挑む。プロデビューから13連勝(10KO)で「KOダイナマイト」の異名を持つハードパンチャーが、待望の世界初挑戦だ。

 内山は長崎県生まれで埼玉県春日部市育ち。中学時代にテレビで川島郭志や辰吉丈一郎を見てボクサーにあこがれ、埼玉・花咲徳栄高でボクシングを始めた。同校3年で国体バンタム級で準優勝し、拓大に進学。だが当初は「10人いた1年生の中でも下手くそ」で、試合に出る同期生のかばん持ちをさせられたという。「今まで生きてきた中で一番悔しかった。それが悔しくてひたすら練習した」と振り返る。

 ライト級で全日本選手権3回、国体1回優勝。04年アテネ五輪出場を逃し、引退するつもりだったが、ワタナベジムにスカウトされて05年7月にプロデビュー。07年9月には元世界ランカーのナデル・フセイン(オーストラリア)に八回KO勝ちして東洋太平洋スーパーフェザー級王座を獲得し、5回防衛を果たした。

 大学時代にゲームセンターのパンチ力測定器を殴ったら「700キロくらいを計測した」という豪快な逸話を持つが、実際のリングでは一発で倒すのでなく、理詰めで倒す。本人も「相手にコツコツとパンチを当てて、ダメージがたまった時にたたみかける戦い方」と自己分析。渡辺均・同ジム会長は「プロではワンサイド勝ちばかりで、修羅場を経験していないのが懸念材料」と話す。

 サルガドは10月、世界2階級制覇のホルヘ・リナレス(帝拳)に番狂わせの一回TKOで王座を奪い、今回が初防衛戦で22戦21勝(15KO)1分け。無敗の強打者対決に向けて内山は「いいパンチをもらわない。ミスをどれだけ少なくするか」と勝機を模索する。

 プロ転向の際、反対する父行男さんを「必ず世界チャンピオンになるから」と説得した。父は05年11月に58歳で病死。次の試合後、約束を果たしたことを墓前に報告するつもりだ。

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